筋肉〜プロテイン、EAA、BCAA、HMB〜 ③
プロテインについて
プロテインはタンパク質ですが、ここでは粉やドリンクで摂取するプロテインについて説明していきます。
最近はコンビニでもプロテインドリンクなど売ってますね。
このプロテインは大きくわけると3種類にわけられます。
まず原料で分けて、牛乳から作られるものと、大豆から作られるものがあります。
<原料>
牛乳、大豆
牛乳から作られるものはホエイ、ガゼインプロテイン、大豆からつくられるものがソイプロテインです。
<特徴>
ホエイ:とけやすく吸収が早く、運動前後に摂取すると効果的
ガゼイン:溶けにくく吸収が遅い
ソイ:吸収がゆっくりで代謝の補助に
ホエイプロテインにはさらに2種類あります。これは精製方法の違いにより、タンパク質の濃度と特徴に違いがでます。
WPC(ホエイ・プロテイン・コンセントレート):乳清をろ過した際にできる液体を濃縮したもの。ラクトースや脂質などが含まれており、約80%がタンパク質。タンパク質の割合が少ない代わりにビタミンやミネラルも取れる。
吸収はWPIより遅め。
市販のものはだいたいこちら。
WPI(ホエイ・プロテイン・アイソレート):WPC処理後に膜処理やイオン交換によって不純物を取り除いたもの。約90%がタンパク質で、吸収も早い。
牛乳を飲んでお腹をこわす人はラクトースが原因ですが、このWPIはそのラクトースも取り除かれているため、お腹をこわしやすい人にはおすすめ。ちょっと高い。
優秀な大工がいて、設計図が完璧でも材料がなければ家はたちません。
筋肉も筋トレを完璧にしてもタンパク質がないと筋肉は作られません。
なんなら材料がないと他の筋肉を壊してエネルギーを作ってしまったりします。
プロテインは筋肉の材料を補うものです。ただ、このプロテインはそのままつかわれるのではなく、分解されアミノ酸になってから使われます。
なので、血中のアミノ酸濃度が適切になるタイミングでプロテインを取る必要があります。
食事や運動時間に合わせて、プロテインなどの補助食品をとっていきましょう。
筋肉 プロテイン、EAA,BCAA,HMB ②
ここからはプロテイン、EAA,BCAA,HMBについて書いていきます。
今回は概要です。
まずこの関係性ですが、イメージをプロ野球で例えてでいうと
身体:プロ野球全体
筋肉:セ・リーグ
プロテイン:巨人
EAA:レギュラー9人
BCAA:バッテリー(ピッチャーとキャッチャー)
HMB:ピッチャーの汗
という感じでしょうか。
まず身体全体があります。これは総合的に組織や器官があつまって全体を動かしています。野球で言えばいろんなチームがルールにのっとってゲームをするから運営ができるように身体でいろんな組織がルールを守って動くので人間が活動できます。
その中で、筋肉は身体を動かす重要な運動器官です。この筋肉の構成要素がプロテイン(タンパク質)になります。
さてこのタンパク質、有名なのは鶏肉や粉のプロテインですが、これらは食べてそのまま筋肉になるわけではありません。野球でオールスターのメンバーを集めるときに巨人が強いからそのまま9人!ではなく、一人ひとりがえらばれますよね。
もうちょっとわかりやすく話すと、引っ越しをするときにメタルラックなどの大きな家具は一旦分解してはこんでからくみたてますね。
タンパク質はそのままだととてもおおきい形をしていて身体のなかにはいっていきません。なので、消化酵素によって分解しアミノ酸という単位にして身体に入れて、身体でまた形をつくっていきます。
このときの設計図がDNAなのですが、これはまた別にお話します。
このアミノ酸ですが、20種類あります。この中で11種類は身体の中で作ることができるのですが、9個は食物から取らないと身体で作ることができません。(ベスト9みたいなもの)これを必須アミノ酸(Essential Amino Acid)とよびます。これがEAAですね。
そしてこの必須アミノ酸の中のバリン、ロイシン、イソロイシンを分岐鎖アミノ酸(Branched Chain Amino Acid)といい、筋肉をつくる引き金になったり、筋肉の分解を防いだり、エネルギー源になったりします。ただし、これだけでは材料が足りず筋肉が作れないです。ピッチャーとキャッチャーだけじゃ野球できないですよね。
そしてこのBCAAの中のロイシンの代謝されたものがHMBになります。
まとめると
プロテインには全部はいっていて、その中のEAAが9種類あり、さらにバリン、ロイシン、イソロイシンをBCAAと呼び、ロイシンの代謝物をHMBといいます。
それぞれの働きは次回以降詳しく記載します。
〜筋肉①〜 筋肉の種類
筋肉について簡単に書いていきます。
1.筋肉とは、筋肉の種類
2.大きくなる筋肉、長時間働く筋肉
3.鍛え方
1.筋肉とは、筋肉の種類
まず筋肉は身体を動かすために必要な運動器官です。
これがなければ心臓もうごかないし、関節は動かないし、血液も流れません。
要は死んでしまいます。
この筋肉にはいくつか種類があり、大きく分けると
骨格筋、平滑筋、心筋です。
ざっくりいうと
骨格筋は手や脚、身体全体などの意識的に動かしている筋肉
平滑筋は内蔵などの意識せずに動いている筋肉
心筋は心臓の筋肉
になります。
これらは運動神経か自律神経が関与してくるのですが、複雑になるのでこの話はいつか。
で、骨格筋は速筋と遅筋に分けられます。この大きな違いは色です。
速筋は白、遅筋は赤、ゴロ的には側近は白服とでも覚えてください。
速筋は瞬発的な筋肉、遅筋はスタミナのある筋肉です。
何が違うかというと遅筋には「ミオグロビン」と「ミトコンドリア」が多いということです。これは赤いのとスタミナがあるのとどちらもの理由になっています。
血って赤いですよね?そして血って鉄の味がしまうよね?血の赤い色は実は鉄の色です。
ここで簡単に血の役割を話すと血の役割は各組織に酸素を運ぶことです。わざわざ身体にあんな赤いものが流れてるのは身体に酸素を運びその酸素が身体にエネルギーを作らせるためなんですね。
そしてこの遅筋は毛細血管が多く、酸素も受け取りやすく、かつそれをエネルギーにするミトコンドリアも多いので、赤くそして体力のある筋肉です。
2.大きくなる筋肉、長時間働く筋肉
速筋と遅筋ですが、鍛えたときの特徴も違います。
速筋は大きくなりやすく、遅筋はスタミナが付きやすいです。
この割合はある程度生まれつき決まっており、鍛えても身体が大きくなりにくい人は遅筋が多いのかもしれません。
そういう方は逆にスタミナの必要なスポーツが向いています。
速筋が多い人は筋肉も大きくなりやすく、瞬発力が必要なスポーツがむいてます。
3.鍛え方
速筋は高重量、低回数でおこない(詳しくは別で)、遅筋は有酸素運動できたえましょう。
速筋が多いところは腕などの筋肉、脚のひらめ筋などは遅筋が多いです。
腕は太くなりやすいってことですね。
#筋肉
#速筋
#遅筋
花粉症 〜点眼、点鼻③〜 点鼻について
点鼻薬は鼻に直接指す薬です。病院で処方してもらわなければいけないものや、ドラッグストアで買えるものなどがあります。
ドラッグストアでかえるものには血管収縮剤が含まれており、使えばすぐに鼻づまりが解消されすっきりした感じが得られます。
しかし長期に連用することにより点鼻薬を使い続けないと鼻づまりが解消されなくなってしまいます。
これを薬剤性鼻炎といい、最悪手術になりますので、注意が必要です。
医療機関で処方される点鼻薬では、副腎皮質ホルモン(ステロイド)という成分が含まれているものが多いです。
血管収縮薬のように使った瞬間に効くというものではありませんが、毎日使い続けることにより徐々に効果があらわれます。
飲み薬のステロイドとはちがい、点鼻薬は身体への吸収がほとんどなく副作用が出にくいのが特徴です。小児にも適応が認められています。
花粉症の症状がひどくなってくると、粘膜の腫れが強くなり薬剤が鼻の奥に届きにくくなります。
その時には血管収縮剤の点鼻薬を少し使用してみてから、ステロイドの点鼻薬を使うと薬剤がうまく鼻の中に入り、効果が発現しやすくなります。
病院で処方されるもので有名なものは「アラミスト」「ナゾネックス」「エリザス」です。
・アラミスト:鼻だけでなく眼の症状にも効果が期待できる
・ナゾネックス:全身作用が少なく長期間向け
・エリザス:添加物がないため刺激がすくない
またエリザスは粉末のため液垂れなどもありません。
点鼻はいつでもいいのですが、鼻通りをよくして使う必要があります。
血管収縮剤は長期間つかうのではなく、症状を改善させ、ステロイドは悪化を防ぐためにある程度継続して使う薬であることを知っておいてください。
花粉症 〜点眼、点鼻②〜 点眼とコンタクト
薬局にいると点眼もおおくでるのですが、よく聞かれるのはコンタクトしたまま点眼してもいいか、ということです。
まず、点眼が必要な状況で病院にいったのであれば、コンタクトは一旦つけるのをやめましょう笑
まぁそうもいかないとおもいますが、抗菌剤(クラビット(レボフロキサシン))などの目薬が出ている場合は目に菌がいたりして、コンタクトで目を傷つけてしまうと悪化したり治りがおそくなるので、コンタクトをやめましょう。
ステロイドの目薬をさすときも、目を傷つけると感染しやすくなるので、やめたほうが無難だと思います。
ではそうではない目薬をさす際の注意点です。
まずハードコンタクトかソフトコンタクトかでわかれます。
どちらのほうがつけたまま点眼しやすいとおもいます?
答えはハードです。
点眼液には保存料がつかわれているものがおおく、そのなかでも「ベンザルコニウム」という保存料がはいってるものがおおくあります。
このベンザルコニウムがソフトコンタクトに吸着し、目に悪影響を与える可能性があるため、ソフトコンタクトをしたまま点眼はあまりおすすめできないわけです。
ハードコンタクトには吸着しないため、ソフトコンタクトではだめな点眼液でもハードコンタクトには使えたりします。
ちなみにアレジオンという点眼液はベンザルコニウムが入っておらず、ソフトコンタクトの上から点眼可能です。
花粉症 〜点眼、点鼻①〜
花粉症の時に目を取り出して洗いたい、という表現をしている人がいました。
そのときは大袈裟だなぁと思ってたのですが、今はちょっとわかります。
花粉症の症状として多いのは、目のかゆみ、鼻水、くしゃみです。
飲み薬は飲んで全部に効くので、簡単でいいのですが、その分眠気などの全身症状も出やすいです。
点眼、点鼻の薬は効かせたいところに直接効果を発揮させられるというメリットがあります。
どんなものが入っているかというと
先の二つは前の記事でも紹介しました。
さてステロイド、ですが名前は聞いたことがあると思います。
どんな印象をお持ちでしょうか?
ステロイドというと怖いイメージを持つ方も少なくありません。
ドーピングやボディビルダーが使うという話も聞いたことがあるのではないでしょうか。
ステロイドは確かに使い方を間違えると大変です。
飲み薬としてのステロイドは過剰な免疫を下げるため、免疫異常の疾患につかわれますが、その分風邪を引きやすくなったりします。
花粉症でも症状が強いときにはステロイドが入ってるものを飲むときもあります。
塗り薬、点眼、点鼻にはステロイドの入ってるものもありますが、量は飲み薬よりも格段に少ないため副作用も少ないです。
ステロイドの話はまた別の機会に詳しくします。
さて、まず点眼ですが、いろんな薬があります。花粉症のときに使うものは抗アレルギー、抗ヒスタミン、ステロイドが含まれているものです。
普通に薬局で買えるものは、比較的効果が弱く、ステロイドもはいっていないものになります。
病院にいって出してもらう薬にもいろんな種類があるのですが、よくでるものとしてはインタール、パタノール、アレジオンという抗アレルギーのものとフルメトロンなどのステロイドのはいってるものがあります。
抗アレルギー点眼はpHによって刺激や不快感がともなうものもあります。インタールは少しpHがひくく人間の涙とちょっと値がちがうため、刺激があったりします。
パタノール、アレジオンは目に近い浸透圧、pHのため目に刺激がすくないです。
次回はコンタクトと点眼についてです。
花粉症〜薬いつから飲む?〜
私は去年まで花粉症じゃなかったので、めちゃくちゃ鼻水が出てめちゃくちゃ目が痒くなってから薬を飲み始めました。
先輩薬剤師からは今から飲んでも遅い、と言われてしまいましたが。。。
どのタイミングで飲み始めるのがいいのでしょうか。
薬には抗ヒスタミン以外の作用を持つものが入っています。この中でケミカルメディエーター遊離抑制作用を持つものがあります。
これは、花粉症を引き起こす物質を細胞が出すのを抑える、という意味でご理解ください。
そしてこの効果と抗ヒスタミン作用が最大限発現するのは薬を飲んでから1〜2週間と言われています。
なので、花粉が飛ぶよ〜っていう1〜2週間まえから飲み始めると効果が高くなります。
僕からすると、早く言ってくれよ!って感じですが笑
次回は点鼻、点眼について、です。