筋肉 〜BCAA〜 ⑤
BCAAは、Branched Chain Amino Acids 分岐鎖アミノ酸で必須アミノ酸の中のバリン、ロイシン、イソロイシンです。これは必須アミノ酸の約50%、筋タンパク中の35%をしめます。
これらは筋肉を作るときのシグナル(スイッチ)になったり、栄養として使われたり、筋肉痛や疲労を減らしてくれたりします。
トレーニングをすると身体はエネルギーを使います。十分にエネルギーがあるときはそれを使うのですが、足りなくなると筋肉を分解してエネルギー作り出します。
財布にお金があるときはそこから使いますが、足りなかったら銀行から下ろす、というイメージですね。
よく脂肪が筋肉になるという誤解があって、脂肪をまずつけないとという話を聞きますが、これはちょっと異なり、エネルギーがない状態で筋トレをすると、筋肉を壊してしまい身体が大きくならないためです。
会社でも入社の人数より退社の人数が多ければ人数は減って今いますよね。身体の中では同様なことがたくさんおきています。人の身体は常に分解と再生を繰り返していて、骨や細胞も分解を再生を繰り返し、作り直されています。
BCAAはアラニン〜グルコース経路で糖新生(アミノ酸、脂質からエネルギーを作り出す過程)をします。なので、トレーニングする際にBCAAを取っていると筋肉の分解を抑えられるというわけです。
また脳のトリプトファン濃度など小難しい話もあるのですが、それはまた次回。
BCAAは筋肉を作れという司令をだすスイッチとしても働きます。工事現場で言えば設計図がDNA(そのコピーのRNAが現場では使われる)、EAAが材木や鉄骨、釘などの材料、BCAAは開始を告げるチャイムといったところでしょうか。
BCAAは他のEAAと異なり、肝臓ではあまり代謝されず、筋肉中で代謝されます。運動などをするとこの代謝は促進されます。その中でロイシンの代謝産物のHMBがさらに様々な働きをします。
次回 HMB